· 

Love movies: "Perfect days"

土曜につかぬま上京の時間ができたので、展覧会巡りに行ってきました。
実はこのとき、実現できなかった小さな野望がありました。今回はいけなかったけど、浅草方面に行くなら、駅構内にある居酒屋へ…

そう、映画「Perfect Days」で役所広司演じるひらやまがしばしば寄っていたあのお店です。
甲本さん扮する店員のお茶目な出迎えが、観てるこちらまでも明るい気分にさせる。いつかあそこで名物焼きそばと酎ハイを飲みたかったのです。

Wim Wendersは若い頃からロードムービーやドキュメンタリーを何本か観ていて好きな監督の1人でした。小津安二郎好きは「東京画」という映画で知っていたので、今回はオマージュも込められていそうです。

禅僧のような規則正しい生活を古いアパートで送るひらやまが、箒の音で目が覚めて、髭を剃って、鉢に水をやって、着替えて外に出た時の朝日や木漏れ日を見上げる時の表情をスケッチしてみると、その目が笠智衆さんに似てるなあと改めて思いました。

ヴェンダースはひらやまの生活に憧れるとよく言っているけれど…
高齢に入って1人安アパートに住み、気を遣いながらトイレ掃除の仕事を黙々とこなし忙しいときはカップラーメン。ひらやまの生活を本当にしたいと思う人はほとんどいないのではと、ハイクラスの生活からは程遠い私だと実感させられます。

それが、しがらみから自由になって今を受け入れ納得する、最後のひらやまの表情の連続として描かれた、役所さんの名シーンだと思いました。
人の評判などを一切気にせず、黙々と自分の仕事をこなして、カセット音楽、銭湯、古本屋、前述の居酒屋を慈しむ。あぁそれから石川さゆりさんのバーもあった。

SNS時代と二極化へのアンチテーゼとも受け取れます。

ヴェンダースも(役所さんも)実際の生活は程遠いとは思うのだけど^ ^;
常にヒットするかの重圧を感じざるを得ない、規則通りにならない仕事柄、憧れるのかもしれないですね

私はこの映画を観たよく朝、ひらやまと同じ脳の動きで目覚めました。きっと同じ方は多かったのでは…
#perfectdays #wimwenders# kojiyakusho
#watercolorillustration #水彩 #ポートレート #portrait