去年の5月、英映画「Living」を観ました。黒澤明の「生きる」をベースに作られています。なんて偉そうに書きましたが、私は「生きる」をまだ観ておらず、先にこのLivingを観ることになりました。
ガンの告知を受けてから今までの生き方を振り返って、やっていなかったことを思い切りやってみる。
よくあるテーマかもしれない、だからこそシンプルな物語として心に残ります。
この2つの映画の主人公のように立派な人生ではないけれど、
私にもやり残したことはたくさんあります。きっとこれを読んでくれている方もでしょうか。
イギリス版はやはりジェントルマンの国の映画、どこまでも品があります。
イシグロカズオさんの脚本もあるのかもしれません。
そして本家「生きる」はかなりコメディタッチで泣かせます。
志村喬さんの表情も相まって悲しいのかおかしいのか、古いイタリア映画のようなヒューマニズムと庶民性を感じました。
特にお葬式のシーンが長い(後半はほとんど)のは日本特有で、面白い構成だと思いました。
私は黒澤映画をあまり観ていないので(三船敏郎さんが少し苦手)、志村喬さんの演技をほとんど観たことがありませんでした。
これを機に三船さんが出てない (笑) 映画で観たいです。
何のために生まれてきたのか、生かされているのだからしようがない、永遠のテーマ・・
この主人公のように生きたいものと思いながら、勇気が出るのだろうか。
ひとのために生きる、それでこそ気持ちが動くことを教えられる映画でした。