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ひとつひとつ音を集める 坂本龍一

昨12月のオンラインのコンサートを見終わってインタビューを受けていたときには、確かに痩せて話す声も細く、最後のコンサートになるかもしれない。でも作曲はずっと続けていけるかもしれないし、して欲しいと願っていました。

でもおとといニュースが流れ、愕然としてしまい何も手がつかなくなってしまいました。

映画Last Emperorが好きで、坂本さんが作った主題歌、David Byrneなど他のミュージシャンの曲もよく、サントラ丸々とカセットテープにとってよくよく聞いていました。その後同じベルトルッチ監督のSheltering Skyを映画館でみたのですが、主題曲がかかるとすでに映画のエンディングまで見えるような旋律で、坂本龍一はすごいなぁと鳥肌がたったのを思い出します。

 

Sheltering Sky

https://www.youtube.com/watch?v=__aJL8i1kL4

 

ソロピアノの一連の曲も好きな曲が多いけれど、一番聞いたのは、ボサノバのAntonio Carlos JobimのバックメンバーだったMorelenbaum夫妻と三人で作ったCasaというアルバムでした。坂本さんもJobimもドビュッシーが好きなので納得なのですが、ジョビンのピアノより、繊細で緊張感のある坂本さんの演奏がまた別の雰囲気を作って心地よい美しさでした。

 

ひとつの音が持つ大きさを大事に、音を求めて駆け抜けた人生だったのではと想像します。闘病は予想以上のものでニュースを読むのは辛かったですが、音楽や考えもしっかり世に出して、よく生き(きっ)た人生だったのではと感じました。美しいメロディを与えてくれて、バカラックに続いて、この時代に生まれて聴けてありがたいです