去年、一昨年と、ギャラリーダズルの映画に関するグループ展に参加しました。
その展覧会でご一緒したイラスト仲間のヤギエツコさんが装画を描かれている伊多波碧さんの「父のおともで文楽へ」を読みました。
文楽は三回ぐらいかな見に行ったことがあります。物語や文楽の歴史などはほとんど知らないのですが(近松門左衛門もテスト用に名前だけ)、北野武のDollsという映画を観た後で、あと、文楽で使われる三味線の音が、通常の三味線よりもとても太く深い音で(義太夫三味線というらしいです)、それを生で聴きたいということもありました。
人形劇という人間の生々しい演技からちょっとひいた目で観れ、操る人形遣いの人たちのクールな表情も魅力的でした。人形の操り方講座観たいのも舞台前に見ることが出来て奥が深い世界だと知りました。
シングルマザーとして働く主人公が、お父さんに教えられて観に行くようになった文楽と自分の気持ちを照らし合わせる様子とともに、物語が進んでいきます。最後はとても清々しい気持ちで読み終え、自分の周辺のことも考え暖かい気持ちにさせられました。
ヤギさんの絵が文楽鑑賞後のシーンを軽やかに、そして優しく彩っています。